著者:穂高唯希
著者は、本書の副題にあるように、高配当・増配株投資でFIREを達成した人物です。
何かで成功する人というのは、とかく普通の人では、なかなかできないような振り切れた行動をとり続ける人であると私は思っている。
著者も実に収入の8割を高配当連続増配株に投資し続けてFIREを達成している。
収入の8割を投資し続けられるということは、すでに生活自体も倹約・節約が身についていないとなかなかできない。
本書では、その当たりの事も書いてあるが、かなりの倹約家である。
ただ、最近の流れの通り切り詰めるような事は、していないが、楽しみが投資になっているので、他の事にお金を使う要素がないともいえる。
一つ面白いのが、一度、贅沢を経験すると不思議と無駄に高額な物や体験にお金を使わなくなる。
これは、ちょっとわかる気がする。
著者は、最初から株式投資をしていたわけではなく、詳しくは触れていないが、当初は金利に興味を持ち、通貨ごとで金利が違う事を利用して、FXをやっていたようである。
ただ、著者には、合っていなかったようで、段々株式投資にシフトしていったようだ。
当初は、国内株式からスタートして段々とアメリカ株式にも投資をしている。
今ならネット証券からアメリカ株式にも気軽に投資ができる環境が出来ているので、ありがたい限りである。
もちろん本書では、どういう株に投資をしたらよいのか、年代別などでの推奨するポートフェリオにも言及している。
高配当株投資は、配当額が生活費を超えるのが、目標で著者は行っており、FIREまでの達成率が分かり易いので、モチベーションも保ち易い。
おそらく、キャピタルゲインを狙うよりはるかに難易度は低いと思われるし、高配当株は、大抵、暴落時でも無配当よりは、底堅く推移する事が想定されるので、精神衛生上マシだと思う。
FIREを目指して株式投資をしてみたいと思っている方は、一度読んでみてはどうでしょうか。