積立nisaは全体的にリスクの低い投資手法であるとはいえ、やはり基準価額が下がってしまい損失が出てしまうこともあります。
投資の鉄則では、損失が広がらないように損切りをすることが重要です。
しかし、これは積立nisaにも当てはまる原則なのかを考える必要があります。
意味のある資産運用をしていくために、損失をどう見れば良いのかを検討してみましょう。
FXや株式では損切りをしないと損失を広げるため、あらかじめカットラインを決めておきます。
しかし、積立nisaでは基本的に損切りをする必要はありません。
というのも、そもそも積み立ては売買を繰り返して利益を得るような投資手法ではなく、売買のタイミングを考えることはないからです。
積立nisaはあくまでも投資信託を買い進めていき、長期保有することによって複利効果で資産を増やすという考え方です。
損失が出てきたから売ってしまうというのは、短期から中期で投資をする手法で必要な手段であり長期保有では当てはまらないのです。
一時的に価格が下がるとしても、最終的に20年後にプラスになっていれば良いという意識で積立nisaを行っていくわけです。
もう一つの理由は、損失を生かせない制度であるという点です。
株式投資などは損益通算や繰越控除ができますので、赤字が出てもそれを別の取引と相殺して所得を下げられます。
しかし、積立nisaではこうした控除や損益通算が適用されませんので、利益確定で赤字を出しても使えるところがないのです。
結局損失をそのまま受け入れざるを得なくなります。
一番大きな理由は、損切りをしなくても長期的に見れば持ち直す確率が高いということです。
20年間の保有期間があれば、回復することが確率的にほとんどで、投資市場を見ても10年スパンで見ると全体的に上昇しているのです。
長い目で見て利益を出す意識を持ちましょう。
価格が下がっても損切りは基本的にしないのが積立nisaの特徴で、逆にその時を活かすことができます。
価格が低いということは、少ない資金で商品を新たに買い進めることができることも意味しています。
そのため、そのタイミングになったら、いつもより多めに投資をして資産を増やすと、あらかじめ決めておくのも良いでしょう。
こうした気持ちのゆとりがあると、一時的に価格の変動があっても慌てることがありませんし、長期的な視野に立って堅実に資産運用ができるようになります。