最長20年間も投資信託で得た利益が非課税になるのが、積立nisaという制度です。
少額投資に興味がある方にとっては、リスクの少ないメリットばかりの投資方法に思えますが、いくつか注意点もあります。
一般的なnisaの場合、非課税期間は5年間しかないため、積立nisaでは非課税期間がとても長くなっていることがわかります。
一般的なnisaが年120万円まで非課税になるのに対して、積立nisaは年40万円が上限なので、その差が大きいことは否めません。
ただし、20年間積み立てることができれば、最大で800万円になるわけですから、やはり一般nisaより非課税の恩恵は大きいと言えるでしょう。
とはいえ、20年という期間は決して短くはありません。
20年経つ前に資金が必要になるケースだって考えられます。
「それなら、5年の積立の一般nisaと併用すれば、いざという時にも安心なのではないか?」と思いたいところですが、実はそれができないのです。
nisa用の口座は1人1つしか作れないという決まりがあるからです。
積立nisaの口座を開設した人は、後から一般nisaを始めたくなっても、新規に口座を作って積立nisaと併用することはできません。
積立nisaをやめて一般nisaを利用するということは可能ですが、そもそも20年間の長期積立で利益を狙う積立nisaを早々にやめてしまっては、何のメリットも得られません。
最初の時点で、一般nisaと積立nisaのどちらがご自身の投資スタイルに合っているか、今後起こるかもしれない不測の事態も考慮に入れて、慎重に決めるようにしましょう。
よく比較されるiDeCo(個人型確定拠出年金)などと違って、積立nisaの場合、20年経たなくても自由に資金を引き出せるという特徴があります。
予期せぬことでお金が必要になった時など、この特徴はメリットにもなります。
しかし、短期間で解約してしまっては、最長20年という長期運用を前提とした積立nisaの最大の恩恵をこうむることができません。
ですので、積立nisaを始める前に、20年の長期間、途中で解約することなく運用できるかどうか、じっくり考えてみましょう。
自分の意志では難しいのであれば、60歳まで引き出せないiDeCoの方が相性が良い場合があります。