米国株を積立nisaで直接買うことはできません。
なぜなら、積立nisaとは金融庁が定めた基準をクリアした投資信託、ならびに、ETFだけしか購入できない決まりだからです。
しかし、積立nisaでも間接的になら、米国インデックスファンドなど米国株を購入することはできます。
積立nisaで投資できる投資信託の数はおよそ200ありますが、そのなかには米国株を中心に投資している投資信託も少なくないからです。
確かに、アメリカの株式市場はずっと成長を続けています。
思い返してみれば、リーマン・ショックや最近のコロナ禍の影響など、暴落を見せる時期もありました。
しかし、それらも短期的なことであり、世界経済のなかで中心にあるアメリカは、どんな時も株価が他の国より早く回復していますし、数十年のスパンで見れば右肩上がりに成長し続けていると言えるわけです。
そのため、積立nisaで米国インデックスファンドに投資するのは、安定した利益が見込める選択だと言えるでしょう。
ただし、米国株自体のリスクもそれなりに高いことは知っておく必要があります。
個々の銘柄の値動きが激しく、数倍にも値上がりすることもあれば、大暴落するものもあるからです。
もちろん積立nisaは投資信託ですから、基本的に分散投資されており、資産を一気に失うほど大きなリスクを背負うわけではありません。
とはいえ、場合によってはリスクがあることは知っておくべきです。
それを踏まえたうえで、どの程度のリスクなら許容できるのかを考え、投資する金額を決めるのがよいでしょう。
それに、アメリカだからといって、今後も常に経済が右肩上がりに成長を続けるとは限らないことも考えておかなければなりません。
ここ数十年はどんな局面でも素早い回復を見せてきましたが、社会情勢や国家間の関係の変化もあって、今後は成長が鈍化する、もしくは悪化する可能性も考えられます。
さらに、米国株では為替変動のリスクも考えておかなければなりません。
日本株の場合、株価の上下だけ見ていればよいのですが、外国の場合、外貨と日本円との間に為替レートが存在します。
購入した時より売却する時の方が円高の場合、それだけで大きく利益を減らすこともあり得ることです。
このように考えると、リスクの小さい積立nisaとはいえ、アメリカだけに集中させるよりも、それも含む多数の国の株式に投資できる全世界株式型や先進国株式型の投資信託を選ぶ方が賢明だと言えるでしょう。