積立nisaの話でしばしば紹介されるのが、ドルコスト平均法です。
これは毎月一定額の買い付けを行う手法のことです。
同じ金額を毎月出すのですが、ファンドの基準価額は常に変動しています。
価格の安い時には通常よりも多く買い付けが可能で、価格が上がっているときには少なく買い付ける形になります。
この手法を使っていると平均単価を下げる効果が期待されるので、つみたて投資にはおすすめと言えます。
投資家の皆さんはあまり深く考える必要はありません。
要は毎月5,000円なら5,000円、1万円なら1万円と同額で買い続けるだけです。
具体的な事例で見ていきましょう。
例えば積立nisaで毎月1万円ずつ積み立てていったと仮定します。
購入した投資信託が最初の月では1万円で販売されていたとします。
この場合1口購入したことになります。
ところが翌月投資信託の基準価額が低下して9,000円になったとします。
この場合、購入できるのは1.111口くらいです。
さらに翌月には7,000円に基準価額が下がったとしましょう。
すると購入できるのは1.428口程度です。
このように価格が下落すれば、同じ金額で積み立てるとより多く購入できます。
3カ月目が7,000円だった場合、これまで購入してきた口数は3.539です。
ということは24,773円です。
3万円出資しているので、5,000円強の損失です。
ところがもし最初の月の1万円の段階で先ほどと同額の3万円出したと仮定しましょう。
すると3口を購入していることになります。
この場合3カ月目の価額が7,000円だったとするとその3口分の21,000円になっている計算です。
ということは、9,000円の損失を計上しているわけです。
同じ3万円を出資しているのですが、前者の方が損失を少なく抑制できているわけです。
損失のダメージを少なくできたり、値動きによっては価額が下がり続けている状況でも利益を出したりできるかもしれません。
このドル・コスト平均法ですが、どのような場合でも損失を抑制したり、利益を出したりできるわけではありません。
値動きが上がったり下がったりしているときには効果的ですが、どんどん下がり続けていくとただただ損していく可能性もあります。
ですから購入したファンドの値動きを見ながら、どのように積み立てていくか慎重に検討しましょう。