投資形態にはいろいろな手法があります。
ドルコスト平均法はその一つで、価格が絶えず変動している投資商品に対して、毎月一定の金額を投資するという手法を表します。
投資の間隔は必ずしも同じでなければいけないというわけではないものの、長期にわたって複数回の投資を行うことによって、市場の価格変動というリスクを分散できるという投資手法です。
積立投資は、まさにこのドルコスト平均法を採用した投資方法と言えます。
市場の変動に関係なく、投資家は毎月一定額をファンドへ投資します。
価格が高い時もあれば、低い時もあるでしょう。
一定額を投資する中でも市場価額は変動しているので、同じ投資額で購入できるファンドの数量は異なるという特徴があります。
今月は10購入できたけれど、先月は価格が高めだったので5しか購入できなかったという事態が起こります。
それでも、同じファンドに対して継続的かつ分散的に投資をすることによって、長期的にはリスクヘッジという効果を得られます。
投資手法の中には、ドルコスト平均法と対照的な特徴を持つ一括投資があります。
これは、時期を分散して少しずつ投資するという手法ではなく、買い時だと思ったタイミングに合わせて一括でファンドを購入するという投資方法です。
この場合、どの価額で購入したのかという点がとても重要ですし、最終的な利益にも大きな影響を与えます。
買い時を間違えてしまうと購入した時よりも価額が下がり、利益確定すると大きな損失が出てしまうという事態にもなりかねません。
つまり、一括投資はドルコスト平均法と比べるとハイリスクなのです。
ドルコスト平均法は、積立投資のように長期的な投資を前提としている場合には、成功しやすい投資法です。
市場の変動に関係なく分散して投資を継続するわけですが、数十年という長いスパンで市場を見ると、どのファンドも右肩上がりに成長しているのが一般的です。
その中における日々の多少の変動は、長期的なスパンでの流れと比較するとごくわずかな影響しかないわけです。
もしも積立投資を長期間継続することを考えている人は、ドルコスト平均法が持つメリットによって、ローリスクな資産形成ができるのではないでしょうか。
しかし、短期間でまとまった利益が欲しいという人にとっては、残念ながらドルコスト平均法による投資は向いていないかもしれません。