投資信託は一般的に、時間的なリスクや銘柄的なリスクを分散しているため、市場が低迷してもその影響は受けづらいという特徴があります。
しかし市場全体が大暴落してしまうと、銘柄が取引されている市場や業種や分野などに関係なく、どんなファンドでも大きなダメージを受けてしまうことはあります。
リスクに強いと言われている投資信託ですが、元本が保証されているわけではありませんし、複数の条件が重なれば大損してしまうリスクはゼロではありません。
しかし、大きな損失を被ってもリカバリーしやすいという点は、投資信託の魅力です。
どんなに市場が低迷していても、過去の実績を見ると遅かれ早かれ市場は少しずつ復活しています。
業界や分野によっては、回復が早かったり、特定の銘柄が素早い回復を見せることもあります。
特定の銘柄に対してピンポイントで投資していた場合には、投資先の銘柄が回復するかどうかが、資産がどこまで回復できるかに直接的な影響を与えるでしょう。
しかし投資信託なら、幅広い業界や分野へ分散投資しています。
そのため、市場の回復に合わせてファンドの時価総額も回復しやすいのです。
多くの場合には、信託投資は市場の暴落によって大打撃を受けても、回復することができます。
しかし中には、業界ごと消滅してしまうレアなケースもあるため、油断はできません。
もしも市場全体が回復しているのに特定の分野や業界が全く回復できず、投資先のファンドにも長期的な影響が出そうな場合には、どのような対処法をすればよいのでしょうか?
長期スパンでの投資としてメリットを持つ信託投資では、損切はあまりオススメではありません。
特に、インデックス投資やバランス投資などでは、損切りを目的とした売却は、必要ないでしょう。
しかし、ハイリスク・ハイリターンな銘柄や市場を取り入れたアクティブファンドの場合には、市場の影響がファンドに大きなリスクとなる可能性はあります。
その際には、リスクヘッジとして損切りするという選択肢があります。
塩漬けというのは市場が回復するまで売却せずにファンドを持ち続けるというもので、今すぐ売却する必要がない人にとってはおすすめの解決策です。
投資信託は、売却して換金するまでは、損失確定となりません。
時間は長くかかるかもしれませんが、長期保有することで時価総額が回復するのを気長に待つという選択肢もあります。