投資の基本となる考えの1つに、リスク分散があります。
投資は基本的に、リターンが大きければリスクも大きくなるという原則があります。
そのため、単に利益率が高ければ良いということではなく、いかにして損失を減らせるか、リスクを下げられるかが重要になってくるのです。
投資では元本保証がなされませんので、このリスクを考えないと、逆に自己資産を失う結果になってしまうからです。
この点で、投資手法によるリスクの違いを理解しておくことは重要です。
様々な投資手法がありますが、リスクが低いものとしては、投資信託が代表的な存在です。
そもそもこの投資信託とは、リスク分散を特徴とした投資手法だからです。
投資家は、ファンドに資産を預けます。
ファンドは株式や為替などを運用するのですが、単一銘柄を保有するのではなく、たくさんの銘柄を複数売買します。
こうして投資先の分散を行い、リスクを減らすのです。
さらに、時間の分散も行います。
資金を一度に使ってしまうのではなく、同じ銘柄を購入するにしても、毎月徐々に買い進めるなどして、時間をずらしていきます。
こうすることで、利益率を平均化して、リスク分散を図るのです。
地域の分散を行っている商品もあります。
つまり、日本の株式や債券だけを運用するのではなく、アメリカやヨーロッパなど他の地域にも投資することで、特定の地域で生じ得るリスクを回避できます。
投資ジャンルそのものを組み合わせるケースも見られます。
つまり、株式のみだけでなく、債券や不動産にも資金を投入して、総合的な利益を得るという手法です。
このように、投資信託は様々な運用方法を組み合わせることによってリスク分散を図っているので、堅実で安定感の強い商品を売り出すことができるのです。
リスクが少ないということは、リターンも低いことを意味します。
しかし、その原則の中でも、利益率を高めるための努力を払っています。
たとえば、世界株式関連の商品では、日本や欧米などの安定した国の銘柄をメインにしつつ、新興国株式を投資対象に加えて、リターンを大きくするといったやり方です。
ベースとなる部分はリスク回避を重視しつつ、利益を上乗せできるような運用も同時に行っているのです。
そのため、投資信託というジャンルの中でも、利回りは商品によってかなり異なるものです。
投資信託を購入する際には、お勧めの商品を鵜呑みにするのではなく、自分なりに商品の特徴をよく理解して、利回りとリスクの関係を把握してから選びましょう。
また、運用実績を確認して、その利回りがそのままずっと続くと予測できるのかも考えましょう。