リスク分散するには、投資対象を複数にする、あるいは投資のタイミングをずらすことが必要です。
このような投資の方法を分散投資と言います。
これにより、価格変動によるリスクを減らすことができます。
1つの投資先だけに集中投資していると暴落した時にダメージが大きいですが、複数の投資先があれば、万が一、1つの投資先の価格が暴落しても、他の投資先で取り戻せる可能性があります。
分散投資でリスクを減らす方法の1つは銘柄の分散で、投資資金を1つの商品に限定しないで、複数の商品に投入します。
分散効果を出すには約30銘柄を保有するのが良いとされていて、その際には同一の業種ではなく、複数の業種から銘柄を選びます。
自分で選ぶのが難しいという場合は、投資信託にするとプロのサポートが受けられます。
もう1つの方法は資産の分散で、「株式」「不動産」「債券」などに分散することです。
資産を分散する時には、リスクとリターンのバランスを考えます。
ローリスク・ローリターンは預貯金、円建の債券、ミドルリスク・ミドルリターンは外貨預金、金、外貨建債券などです。
ハイリスク・ハイリターンは株や変額保険などで、これらをいくつか組み合わせて、リスクの分散ができます。
たとえば、既に老後資金を蓄えてある人なら、その資産を減らさないようにするのがベストなので、を8割、残りを世界株式にするなどがえられます。
投資する地域の分散もできます。
国内と海外、海外なら中国とカナダなどの国ごと、あるいは欧州と北米といった広いエリアで考えることもできます。
先進国と新興国という分け方もできます。
また、複数の通貨で資産を持つという分散方法もあります。
投資するタイミングをずらすという、時間的な分散もリスク回避に役立ちます。
投資商品の価格は常に変動しているので、1回に大金をつぎ込むよりも、時期をずらして、何回かに分けて投資するほうがリスクを減らせます。
この時間的な分散ができるのが積立投資です。
積立投資は、一時期に多額のお金を投入するのではなく、定期的に一定の金額で購入していく方法です。
投資期間は長いほうが、リスク軽減の効果が高いです。
価格が高い時には購入額が少なくなり、安い時には購入額が多くなるので、結果として、平均購入価格を抑えることができます。
特に、つみたてNISAは分散投資だけでなく、少額からの長期積立を行える投資で、分配金や譲渡益が非課税になるというメリットがあります。