積立投資では、定期的に一定額を投資するため、始めるタイミングはそれほど重要ではありません。
しかし口座を解約するなど、手持ちのポジションを売却して利益確定するタイミングはとても重要です。
長期間にわたって積立投資を続けてきた投資家にとっては、毎日の市場動向を神経質にチェックする必要はないかもしれません。
しかし、できるだけ利益確定して手元に残る利益を多くするためには、値が下がっている時よりも上がっている時に手放すのが得策です。
長期間の積立投資においては、購入時の価額が売却時よりも低いというケースはそれほど一般的ではありません。
しかしローリスクな積立投資といえど、元本が保証されているわけではありません。
そのため、最低でも購入した時の価額よりも売却する価額の方が高くなっていることは確認しましょう。
積立投資では、購入した回数は複数回あり、価額もその度に異なっています。
そのため、証券会社から発行されるステートメントなどをチェックして、購入価額の平均が最低でも売却しようと考えている価額より低いことを確認することから、利益確定のプロセスを始めましょう。
もしも積立投資以外に投資をしているなら、投資商品すべてにわたって損失と利益を通算できる点も考慮すると良いでしょう。
年末か年始あたりのタイミングで利益確定することを考えているなら、年末にするのか年始まで待つかによって、かかる税金が大きく変わる可能性があります。
また損益通算という点においては、過去3年間における損失も今年の利益で通算できます。
つまり、過去3年に投資商品で損失が出ているなら、積立投資の利益確定によって損失を利益から差し引けるというメリットが期待できるでしょう。
積立投資の口座を解約して利益確定する場合には、乗り換えや買い替え手数料などはかかりません。
しかし、ファンドを解約して別の利回りの投資信託へ乗り換える場合には、利益に対して税金がかかるだけでなく、販売手数料が発生することも忘れてはいけません。
せっかく増えた資産が、手数料や税金などで3分の1程度なくなることを考えると、あまり頻繁なファンドの乗り換えは控えたほうが得策だと気づくのではないでしょうか。
投資信託の場合には、年に1回や2回など、決算時期に合わせて分配金が出るケースがあります。
少しでも利益を多く手にするためには、こうした分配金のタイミングも忘れてはいけません。
証券会社に問い合わせても良いですが、過去の明細を見れば、どのタイミングで分配金が出ているのか分かることもあるでしょう。
利益確定するのは、分配金を受け取ってからというタイミングがおすすめです。