投資信託は様々な投資手法の中でもリスクが少なく、安全だというのは事実です。
実際に、堅実な投資をしたいという人が利用することが多いです。
しかし、決して大損をしないという意味ではありません。
投資信託もやはり投資の一つであり、元本保証がなされないからです。
あくまでもリスクが低いというだけであって、リスクがないわけではありません。
そして、一口に投資信託と言っても、いろいろな商品が存在するということも覚えておくべきです。
堅実に利益を出し続ける商品もあれば、大きな元本割れを起こしてしまっている商品もあるのです。
こうした投資信託で大損をしてしまう人の特徴として、リターンもしくは分配金の額ばかりに目を留めて商品を選んでいる点が挙げられます。
たとえば、レバレッジ型の投信は確かに利回りが良く、他のタイプの商品の倍以上となることもあります。
投信だからレバレッジでも安全だろうと安易に考えて、資金を大きく投入してしまうと、損失が出た時に失うものも大きくなるのです。
これが1つ目の原因と考えられます。
事実、2020年までの1年間の運用成績では、レバレッジ型の商品で元本が半額になってしまったものも数十本存在しています。
もちろん、さらに持ち続けて長期投信とすれば持ち直すこともできるかもしれませんが、少なくともその時点での成績だけを見れば、まさに大損と言えます。
大損をする2つ目の原因は、損切ができないという点です。
投資の鉄則として、一定の損失が出たらそこで売却して、それ以上損失を広げないという考えがあります。
しかし、投信でそもそも損切りをするという感覚を持っていない人も多く、損失が大きくなってきても、また値を戻すのでは…という期待から、ズルズルと持ち続けてしまうのです。
小さな損失で抑えるためには、たとえ投資信託であっても、損切りをすることを意識しなければなりません。
3つ目の大損の原因は、短期保有しか行わない点が関係しています。
投信はもともと少なめの利回りを継続して、複利効果で資産を積み上げていくタイプの投資手法です。
そのため、長期保有が原則となります。
しかし、すぐに利益を出したいと考えて、短期間しか保有せずに売買を繰り返していると、小さな損失が積み重なって、結果的に大損となってしまうのです。
投信は手数料もかかりますので、短期ではあまり効果を上げられないということを理解し、ある程度長い目で見て、バランスの取れた資産運用計画を立てることが重要です。