投資信託のポートフォリオとは、どんな市場にどのぐらい投資しているかを分かりやすくまとめたもので、金融機関が運用明細書と一緒に作成してくれることがありますが、投資家自身が作成することもできます。
信託投資では、特定の銘柄に全資金を投資するわけではなく、株式市場や債券市場、不動産や信託市場などから厳選した複数の銘柄へバランスよく投資するという特徴があります。
すべての市場が常に変動しているため、こちらの市場が好調でも、別の市場が低迷しているという事態は起こりかねません。
分散投資することで、こうした市場の変動によるファンドへの影響を最小限に抑えることができます。
これが、投資信託の魅力です。
ポートフォリオを見ると、自身のファンドがどの市場へどのぐらい投資しているかが分かります。
市場の変動に合わせて自身のファンドがどのぐらい影響を受けそうかという点についても、予測しやすくなるでしょう。
また、投資家自身がどんなリスクをどこまで取りたいかに応じて、定期的に投資先ファンドを見直したり、特定のファンドへ追加投資するなどの意思決定もしやすくなります。
ポートフォリオは、10人の投資家がいれば10通りあっても不思議ではありません。
その理由は、リスクをどこまで取るか、どのぐらいのリターンを求めるのか、また投資の目的や期間はそれぞれ異なるからです。
その中でも多くの投資家が勧めるのは、市場規模型と呼ばれる資産構成で、日本国内の株式市場だけでなく、主に先進国の株式市場に対しても投資を行い、リスク分散させたものが人気です。
高いリターンを求めるなら、先進国株の割合を増やせばよいでしょう。
海外株は国内株と比較すると、リターンは高いものの、リスクも高いという特徴があります。
このリスク対策としては、投資期間をできるだけ長くして、最低でも10年以上引き落とす必要がない資金の運用ができるのが理想的です。
リスクをできるだけ低く抑えたい初心者におすすめなのは、バランス運用型と呼ばれる資産構成です。
これは、グローバルな市場から厳選した株式銘柄が全体の40%程度を占めているほか、先進国の債券銘柄が30%程度、そしてエマージング債券が30%という構成となっています。
このポートフォリオの大きな特徴は、すべてグローバルな市場から銘柄を厳選しているという点です。
国内市場のみから銘柄を選ぶ場合と比べると、リスクはあるものの、高いリターンが期待できます。
また、このリスク対策としては、株式市場だけでなくより安定性が高い債券市場を半数以上の資産構成にすることによって、高いリターンを期待しながら安定性も高く維持できるというメリットが期待できます。