積立投資の有効性の1つに、複利効果があります。
得られた収益を元本に加えて、もう一度投資することにより、利益がふくらんでいく効果のことです。
元本と利息を合わせた額に利息がつくので、収益をに受け取って、元本のみ運用する単利よりも利息が多くなります。
積立投資は長期運用を前提としているので、分配金を毎月受け取らず、元本を増加させていくことができ、複利効果が得られます。
ちなみに、つみたてNISAの対象となっている商品は、いくつかの商品を除いて、ほとんどが「無分配型」(分配金を支払わない)です。
無分配型なら運用益が再投資されていくので、運用している間はずっと継続的に複利効果が得られます。
毎月分配型は、毎月分配金を受けることができるということで人気がありますが、得られた利益が再投資されずに分配金として支払われるので、複利効果が薄くなります。
それだけでなく、元本が取り崩され、複利効果が全く得られないこともあります。
分配金は、普通分配金、そして特別分配金(元本払戻金)があります。
分配した後の基準価額がファンド購入時の基準価格(個別元本)と同じか、それよりも多い場合は、普通分配金です。
分配した後の基準価額が決算前の個別元本よりも少ないなら、個別元本より少なくなっている部分が特別分配金で、そのほかの部分が普通分配金になります。
たとえば、個別元本(購入時の基準価格)が9,500円で分配金1,000円、分配後の基準価格が10,000円であった場合、個別元本より分配後の基準価格が高いので、分配金はすべて普通分配金になります。
一方、個別元本が10,500円で、分配金が1,000円、分配後の基準価格が10,000円の場合は、個別元本より分配後の基準価格が安いので、分配金は普通分配金が500円、特別分配金が500円です。
普通分配金は得た利益から出されていて、特別分配金は元本から出されています。
つまり、元本が500円減っているということです。
もし、分配後の基準価格が9,500円になったなら、1,000円全て特別分配金です。
つまり、切り崩された元本をただ受け取っているだけということです。
特別分配金はもともと非課税なので、仮にNISA口座で運用できる商品であったとしても、税制面での恩恵はありません。